精油の使い方


精油1本買ったんだけど、デュフューザーで芳香する以外に、使い方ってあるの?

もちろん!大きく分けて、芳香と塗布!

芳香?塗布?

そうそう♡
芳香は、香りを嗅ぐこと。塗布は皮膚に塗ること。

なんか難しそう…

方法は色々あるけど、どれも簡単だよ。
芳香と皮膚塗布以外に、精油を内服したり、坐薬で体内に吸収する方法もあります。
それらは芳香や塗布に比べて、高濃度に体内に吸収されるので、医師や薬剤師、知識がある人の管理下で行うことが望ましいです。
現在、日本では基本的に行なっておらず、個人の責任のもと行なっている人はいらっしゃいます。
芳香の方法
蓋を開けて香る
気になる精油を一つ手に取って、蓋を開けて、香りを感じてみましょう。
蓋の開けっ放しには注意を。精油は揮発性で蓋を開けっぱなしにすると、どんどん揮発して無くなってしまいます。まめに閉めておくのがベストです。
ティッシュに落として香る
ティッシュ、コットン、ハンカチでも何でもいいです。
1滴落として、ゆっくり深呼吸してみましょう。
身近に置いたり、睡眠時だったら枕元に置いたり、カバン忍ばせて必要時に香ってみたり。
注意点は原液が皮膚につかないようにすること。
うっかり鼻の先に当たった時は水でしっかり流して下さい。皮膚刺激が強い精油は特にご注意ください。
- アロマスティック(アロマインへラー)は、中のコットンフィルターに精油を垂らして、香りを持ち運び、必要時に吸入します。吸入しない時はキャップを閉めるので、香りが長続きします。
- アロマシールは精油を垂らして、服の背中や襟、マスクに貼っておくと、自然に香りを吸入できます。
スプレーを作って香る
精油を希釈して、空間にシュシュッとスプレー。どこでも持ち運べます。
- スプレー容器に無水エタノール5ml入れる。
- そこにお好みの精油を10〜20滴入れて、混ぜる。
- 水を45ml入れて混ぜる。
<注意点>時間が経つと分離してくるので、使用直前によく振って使用すること。
保管は冷暗所が望ましく、早めに使い切って下さい。基本的に水分が入ると劣化が早くなるので、少量ずつ作って、1〜2週間以内に使い切るようにしましょう。
エタノール量は用途によって、増やしても良いです。
自然拡散できるアイテムを使って香る
精油をアロマアイテムに垂らします。揮発性の高い精油は自然に拡散します。
- アロマストーン
- 木のスティック
- ポプリ
- 重曹+精油
- 保冷剤+精油
- 無水エタノール+精油+リードスティック
芳香器で香る
- 超音波式ディフューザー
- 圧縮式ディフューザ
- アロマポット
- アロマランプ などなど…
蒸気吸入法〜湯に精油を垂らして
精油の芳香成分をしっかり吸入し、体内に吸収したい時には、この方法を試してみて下さい。
例えば、風邪や花粉症、呼吸器系の不調時にはピッタリです。
- ぬるま湯をカップや洗面器に注ぎます。
- 精油を1〜3滴垂らします。
- バスタオルを頭から被り、蒸気が逃げないよう、目を閉じながら5分間吸入します。
<注意点>咳や喘息の発作時は、刺激で症状が助長するので避けて下さい。
バスタオルを被って蒸気が逃げないようにする方法は、刺激強くなって、目が痛くなるので、必ず目を閉じて吸入して下さい。
アロマバス〜全身浴、半身浴、足浴、手浴
蒸気吸入法の効果に加えて、入浴の効果も。
入浴は体を清潔にし、血行促進し、新陳代謝を高め、筋肉のコリ緩和、疲労回復、汗とともに老廃物除去など、様々な効果があります。
精油は水と混ざらない性質なので、乳化剤と混ぜてから、湯に入れます。乳化剤がない場合は、塩、はちみつ、エタノールにしっかり混ぜておいて、湯に混ぜます。
塗布の方法
目的に応じて、基材で希釈して塗布やアロマトリートメント(アロママッサージ)をします。
キャリアオイルに希釈してアロマトリートメント
アロマトリートメントとは、精油を希釈したキャリアオイル(植物油)を使って、様々な手技で、トリートメント(マッサージ)することです。手で温められた精油は直接皮膚から吸収して作用し、香りは嗅覚を介して脳へ伝わり、自律神経系や内分泌系などに作用します。トリートメントの効果には、緊張した筋肉を和らげ、発汗と血行を促進させ、浮腫をとり、痛みを緩和させる効果があります。また、施術者からトリートメントを受けることで、タッチング効果が期待できます。タッチングは、いわゆる幸せホルモンと言われている、オキシトシンの分泌を促すと言われています。
キャリアオイルにも様々な種類があります。ホホバオイル、スイートアーモンドオイル、マカダミアオイル、グレープシードオイルなど。
それぞれ特徴があり、肌質や使用目的などで選択していきます。
主な基剤まとめ
目的よって基材を選択していきます。
基材に水分が多いほど、吸収速度が速く、保持時間が短いです。即効性が欲しい時や、水分を与えたい時はローションやジェルが良いでしょう。ただ、吸収速度が速い分、刺激が強い精油は不向きです。
水分が少ない基剤は、反対に、吸収速度がゆっくりで、保持時間が長いです。ソフトな効果を維持したい時、水分の蒸発を防ぎたい時は、軟膏やクリームが良いでしょう。
またさっぱりした使用感が好みであれば、水分が多い基材が良いでしょう。
- 液体(油):スイートアーモンドオイル、マカダミアオイルなど多種あり。肌の滑りよく、アロマトリートメントでよく使われる。
- 個体(脂):シアバター、馬油、ワセリン。皮膚吸収速度が穏やか、効果がソフトで持続性あり。
- 液体:ホホバオイル:植物性ワックス、人間の皮脂に構造が似ていて、皮膚への浸透力に優れている。酸化しにくく長期保存可能。肌の滑りよく、アロマトリートメントでよく使われる。
- 個体:蜜蝋(ミツロウ)は動物性ワックスで、殺菌作用、被覆作用、皮膚軟化作用、保湿作用あり。皮膚吸収速度が穏やか、効果がソフトで持続性あり。
皮膚保護作用が強くなり、保持作用が長くなる。
- 軟膏:ワックスとオイルだけで作れる。例えば、ミツロウとオイルを湯煎で熱してよく混ぜて作ります。
- クリーム:ワックス、オイルに水分を加え、乳化させて作る。水分を加えた分、さっぱりとした使い心地、軟膏に比べて伸びが良く、塗りやすい。
さっぱりとした使用感で、皮膚吸収が速い。
- ローション:精製水や蒸留水に精油を混ぜる。精油は水とは混ざらないので、乳化剤やエタノールやウォッカなどに精油を混ぜ合わせて、水分を加えて作成する。アルコールは殺菌作用があり、品質を安定させる作用があるが、皮膚刺激性、皮膚を乾燥させる作用もあるので、保湿効果のあるグリセリンを合わせると良いです。
- ジェル:ジェルの作成は難しいので、専用のジェル基剤に精油を混ぜ合わせて作成する。水分が多い分、希釈しにくいので、肌が敏感な方は、先にオイルで精油を希釈してジェルと混ぜると、より安全に使用できる。
精油の蒸留の際にできる副産物。わずかに精油成分が溶け込んでいるので、作用は精油とほぼ同じ。刺激が少ないので、皮膚の状態が悪いときには、フローラルウォーターを使うと良いでしょう。
- そのまま化粧水のように使う。
- クリームやローションを作る時に、精製水や蒸留水の代用で使う。
芳香と塗布の違い
芳香と塗布の違いは、体内に入る経路が違うということ。
芳香は、その芳香成分が鼻に吸入されると、嗅細胞が感知し、脳に信号を送ります。それらが、自律神経系や内分泌系に作用を与えるのです。さらには香りは本能行動、情動、古い記憶をつかさどる大脳辺縁系にも作用するので、人の感情、情動行動にも影響を与えます。
また別で、芳香は、芳香成分が鼻から吸入されると、鼻粘膜や肺胞から吸収され、血流に入り全身に巡ります。
塗布の場合は、塗布する過程で、自然に香りを嗅いでいることになるので、芳香による吸収と、皮膚から吸収し血流に到達する経路が加わります。
皮膚、筋肉、浮腫や痛みには、その部位に直接塗布する方法が効果的であり、呼吸器や精神への作用を期待するなら芳香を優先的の選択するのも良いと思われます。